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人件費と最低賃金について


飲食店専門社会保険労務士の原です。

このコラムでは、飲食店開業の際に役立つ助成金について執筆していきます。


 

飲食店の経費で最も金額が大きいものは、何といっても原材料費です。

次に、人件費、家賃、光熱費等が続きます。

事業計画を作成する際には売上げと経費の予測から

利益額を計算していることと思います。

 

利益が出なければ開業しませんから、

開業を検討している時には利益(個人事業主の場合はオーナーの収入と同義)が

確保されると判断していることでしょう。

 

経費で2つ目に大きな人件費は「最低賃金」に大きく影響を受けますが、

毎年の最低賃金の上昇を意識しているでしょうか?

 

 

東京都の最低賃金の推移を見てみましょう。

 

年度 最低賃金
2007年 739円
2008年 766円
2009年 791円
2010年 821円
2011年 837円
2012年 850円
2013年 869円
2014年 888円
2015年 907円
2016年 932円
2017年
(予定)
958円

 

2017年10月から東京都の最低賃金は958円に改定される見込みですので、

2007年当時と比べると219円、約30%の上昇です。

 

みなさんのお店で10年後に人件費が今より30%増えていることを

イメージできますか?事業計画に反映されていますか?

 

上記の期間の物価はほとんど上がっていませんから、

人件費の高騰を価格に転嫁できていない企業が多いとも言えます。

 

開業時の借入金の返済には7年程度が必要ですから、

少なくともこの間は事業を継続する必要がありますし、

期待される利益を上げるならば

10年以上続く事業に育てることが望まれるでしょう。

 

10年続くお店作りには

人件費の中長期プランが必要なことがご理解いただけることと思います。

 

 

開業されるオーナーは、多くの方が原材料費については詳しく、

敏感な感覚をお持ちですが、

人件費については残念ながらそうでもない方が少なくありません。

独立開業まで経営や店長経験がない方はその傾向が強いようです。

 

私も店長として長年現場で指揮を執っていましたが、

当時から最低賃金の改定には気を配っておりました。

 

最低賃金とほぼ同額で雇い入れることが多い職場でしたので、

毎年10月には募集時給の変更及び既存従業員の賃金改定が必要でした。

賃金の改定は従業員個々人のプライドのぶつかり合いもあるので

とてもデリケートな問題です。

 

雇用契約書の改定や給与計算の時給単価の変更も忘れてはいけません。

時給単価が上がっても、賃金総額に大きな影響が出ないように、

シフトを見直し、生産性の向上を図ることもとても重要です。

 

だからと言って、最低賃金以下で働かせてはいけません。

残業代の未払いも訴訟リスクにつながるだけでなく、

離職率にも悪影響を及ぼします。

 

当社にご相談に来られる方の中にも、

これまでの自分の職場の勤務管理ルールをそのまま当てはめようとしていたり、

口約束のみで残業代込み総額幾らといった賃金にしようとしている方が多く、

オーナーにとって最善の策とは言えないことが見受けられます。

 

このような場合には当社では利益を最大化し、

オーナーを法律違反から守れる方法をご案内しております。

 

後になってルールを変えることは大変です。

これから開業する新しい店舗には古い時代の労務管理ではなく、

新しい考え方を導入し、継続的に発展するお店にしていただきたいと思います。